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ロレックスがこの時計を作ったことに対してはまんざらでもない

320g近いゴールド(と一部チタン)製で、文字盤はブルーラッカーだ。そして、私はどうしてもこの時計でダイビングをしたいと思ってしまっている。

いつか海底1万2800フィート(約3900m)まで潜る予定があるという人は、手を挙げて名乗り出て欲しい。よし、ではこの新しいロレックス ディープシーを手首につけてもう1度手を挙げてみてくれ。さあ、あと10回。腕は疲れていないか? この新作“ダイバーズウォッチ”は320g、ほぼ1パウンド(約454g)の4分の3の重量があると聞かされている。ほかの時計と比較しつつ、整理してみよう。ヴァシュロンは先日、世界で最も複雑な時計を発表したが、その重さはこの時計の3倍弱もあった。私が史上最も重いと信じている腕時計、APのロイヤル オーク オフショア Ref.25721にしても429gあり、ロレックスの新作ははるかに及ばない。しかし、ロレックスにとっては朝飯前と言わんばかりに、オフショアの39倍も深いところまで潜れるスペックを有している。つまるところこの時計は、ロレックス(あるいはほかのどのブランドでも)がこれまで発表した時計のなかではおそらく、最も不条理な“ツール”ウォッチなのである。しかし時として、物事は論理を超越して最高にロックな境地に達することがある。

Rolex Deepsea Gold
ロレックススーパーコピーベン・クライマーなら、下の写真のようにダブルブレストのスーツに白いドレスシャツと合わせてヨット・ロック風にキメることができるだろうが、私たちが同じようにつけこなせるわけではない。この時計は重いだけではなく、とにかくデカい。ほぼ金無垢のケースは直径44mmで、厚さは17.7mmもある(私には絶対似合わない)。これは、2022年にリリースされたオイスタースチールケースのディープシー Ref.136660と同じサイズだ。しかし、この時計は多くの点でまったく新しいものとなっている。

ディープシーの新作は5.5mm厚のクリスタル風防とヘリウムエスケープバルブを備えていることに加え、イエローゴールドのマーカーとアクセントを配したブルーセラクロム製の逆回転防止ダイバーズベゼルに合わせたブルーラッカー仕上げの文字盤を採用している。そう、そしてこの時計には“SEA-DWELLER”の文字がない。その代わりに、油断すると逆に振り回されてしまいそうなほど重いこの時計の文字盤には、ゴールドの文字で“DEEPSEAと大胆に記されている。ここで、私の好きなベン・イズム(Ben-isms、理解しがたいほどクレイジーで、馬鹿げていて、想像を超える時計を見たり聞いたりしたときに彼が言う言葉)のひとつを拝借したい。「これ以上何を話せというんだ?」

Rolex Deepsea gold
というのも、いくつかの(そして恐らくもっと重要な)違いによって、ディープシーがシードゥエラーとは異なるコレクションとして独立し、確固たる地位を築くようになったからだ。この時計は単に深海の住人(dweller)であるだけでなく、海を支配し、同時に手首の上の空間をも占領する。オイスタースチールモデルの文字盤には、もはや“SEA-DWELLER”の文字はない。このことはロレックスが内密にふたつの新しいSS製モデルを発表したことを意味しており、少なくとも“Dブルー”とブラックダイヤルのディープシーには新世代のダイヤルが採用されたことになる。この記事を書きながら私はこの事実に気がついた。この発見に付き合ってもらえるとうれしく思う。

Rolex Deepsea gold
文字盤の縁をよく見ると、なるほど、この時計にはヘリウムエスケープバルブが備わっていることがわかる(太字で強調されている)。下にある写真でその姿をちらっと見ることができるかもしれないが、正直なところ、私は時計のワイルドさに圧倒されて撮影時にまったく気に留めていなかった。ブルーセラミック製の新しい耐圧リングはヘリウムエスケープバルブと連動することで、文字盤に記載された非常識な深さまでの防水性を保証している。

Rolex Deepsea gold
そしてもうひとつ、オイスタークラスプに配されたグライドロックの写真をその場で撮り忘れていた。グライドロックは2mm間隔で設置された10のノッチ(合計20mm)によってブレスレットを調整できる機能で、ウェットスーツの上からでも時計を装着することができる。以下にその写真を載せておこう(私たちが話している時計がどれくらいの厚さで、どれだけたくさんのゴールドが使われているのかを思い出させるための写真のあとで)。ロレックスがこの時計を、石油掘削施設で作業をするために飽和潜水するような普通のディープシーと同じように扱うことに全力を注いだことは、ある意味驚くべきことだ。もしあなたがそのような仕事に従事していて、この時計を新たに手に入れるつもりならぜひ感想を聞かせて欲しい。

Rolex Deepsea gold
もし80年代のヨット・ロック風飽和潜水士になりたくてたまらないのなら、ケースバックが金無垢ではないことは我慢しなければならないだろう。RLXチタン製のケースバックを踏襲した点については(まるで感謝祭時期に吹き飛ぶ私の“ダイエット”プランのごとく、より早く泳ぐために)軽量化(diet)するためではなく、むしろ水圧下で頑強さを維持するための手段のひとつなのだという印象を受けた。

Rolex Deepsea gold
私はちょっと考える必要があるが、もしあなたがこの時計をうまく使いこなせる(使いこなしたい)タイプの人間だというなら、751万800円(税込)を支払う価値があるだろう。この時計を身につけているあいだは、きっと楽しい時間を過ごせるはずだ。

この時計を手に周りの机を回ってみたところ、なんともばかばかしい騒ぎになった。私の同僚たちは、このずっしりとしたゴールドのツールウォッチの不条理さに笑い転げた。みんながそれを手首にはめ、身につけ、人から人に渡し、もう1回つけてみたいから返してくれとせがむのだ。技術の進歩で時代遅れになってしまったツールにおいては、しばしばそれを楽しめるかどうかが重要なポイントとなる。不条理なことに挑戦するべきだとは限らないが、かといってまったくやらなくていいというわけでもない。ロレックスの社員の誰かがそのメンタリティを共有してくれていたことに、心から感謝したい。ブランドがこの時計を作った動機は、おそらくほとんどの購入希望者が手に取る理由と同じだ。それが可能だったからだろう。まあ、少し嫌味な感じのする理由であることは確かだ。しかし今回の場合、私は大いに賛同する。

Rolex Deepsea gold
さて、この時計は誰のためのものなのか? 伝説的な海洋生物学者のひとりである“深海の女王”、シルヴィア・アール(Sylvia Earle)博士が“カジュアルな”ダイビングではゴールドのデイトジャストを身につけられるというのであれば、この時計はどんな人にだって似合うだろう。1万2800フィート(大西洋の平均水深)まで潜る人などまずいないだろうが、深海へのダイビングというこの時計のために用意されたような環境で、今年これまでに発表されたなかで最も素晴らしく、最も不条理で、最も奇抜で、そしておそらく最も興奮を呼び起こすであろうこの時計を手首に装着してみたらどんな気分になるのか、試してみたいという気持ちが私のなかで大きくなっている。ただ、ダイビング中にバランスを崩してその場でグルグルと回ってしまわないよう、両手首に1本ずつ、計2本用意する必要がありそうだ。

時計の世界には終わることのないように見えるレースが、

なかでもプレイヤーが確立されているのが、「世界最薄レコード」である。ピアジェは創業150周年を迎える今年、アルティプラノ アルティメートの新たなストーリーを紡ぐ時計として、アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨンを発表。2018年に世界最薄記録を樹立したこのモデルに、ケースの厚みを維持しながらフライングトゥールビヨンまでをも搭載した、驚異的な時計となっている。厚さわずか2mmのケースに収まったトゥールビヨンウォッチは、当然ながら現時点における世界最薄記録ホルダーである。

ネイビーとゴールドというピアジェのカラーコードを用いた本機の基本的なプロファイルは、タイムオンリーウォッチだった前作と共通する。タグホイヤー時計コピー Nランク 代金引換コバルト合金製のケース(地板と考えると分かりやすい)に直接輪列を組み込み、厚さ0.2mmのサファイア風防で抑え込む構造であり、今回はそこにフライング トゥールビヨンも搭載した。トゥールビヨンを駆動しながら40時間のパワーリザーブをキープするために従来から25%ほどトルクをアップさせる必要があったため香箱はわずかに大きくなり、結果的にケース径は41.5mmと0.5mmほど拡大している。"拡大"というほどのサイズアップでもないと思うが、ピアジェはこの時計の製作に際してミクロン単位でパーツ製造を行っており、そのスケール感からするとやはり前作から"拡大"された時計なのだろう。

アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨンは、ケース径41.5mm、厚さ2mmのプロポーションで2気圧防水を実現。加えて40時間のパワーリザーブを備えた"実用的"なフライング トゥールビヨンウォッチとなっており、15本の限定生産、価格は要問い合わせだ。

ファースト・インプレッション
この時計は前作に対して、トゥールビヨンの搭載により文字盤が12時位置から若干オフセットされた。香箱や他の輪列もアップデートされているものの、見た目のデザイン変更に対して大きく手が入っており、90%のパーツが作り直されたという。それは、限られたスペースに効率よくコンポーネントを配置することが最大の目的で、加えて動作時のパワーロスを抑えることも叶えられた。

ピアジェは本機のパーツ製造にあたり非常に大型の切削機を用いたといい、例えばコバルト合金の薄型ケースは5tもの重量を持つマシンで削られたそうだ。それは細かな振動が伝わってしまう小さな切削機ではミクロン単位の精度に影響が出るからであり、このメゾンのウォッチメイキングに対する姿勢を表しているように感じた。

フライングトゥールビヨンは通常、ケージの上部ではなく下部をブリッジに固定することで機構が浮遊しているように見せるものだが、本機ではそもそも不可能な手法。そこでピアジェは、ケージ外周に0.3mmのボールベアリングを配し、ケージとの間隔を0.01mm以下に保つことで固定しつつも動作が可能な絶妙なバランスを実現したという。

この時計がアルティプラノらしくもなく、時・分針をひとつの文字盤に配したものでもなければ、製作の難易度はおそらくもっと低かっただろう。ピアジェはそれをよしとせず、あえて制約を多く設けてこの時計を作り上げたのだ(ケースと一体化しているものの、リューズもかなりスタンダードなものだ)。この時計には「always do better than necessary(常に必要以上によいものをつくる)」というこのメゾンのモットーが、これでもかと詰め込まれている。

基本情報
ブランド: ピアジェ(Piaget)
モデル名: アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン(Altiplano Ultimate Concept Tourbillon)

直径: 41.5mm
厚さ: 2mm
ケース素材: コバルト合金(ブルーPVD加工)
文字盤: ブルー
夜光: なし
防水性能: 20m
ストラップ/ブレスレット: テキスタイルストラップ、コバルト合金製ピンバックル

ムーブメント情報

キャリバー: 970P-UC
機能: 時・分・スモールセコンド、ワンミニッツペリフェラルトゥールビヨン
厚さ: 2mm
パワーリザーブ: 約40時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 13
追加情報: ムーブメントはケースと一体化

ロレックス 新しいグレー&ブラックベゼルのステンレススティール製GMTマスターIIを実機レビュー

ロレックス ペプシ GMTマスターIIを手に入れる方法を見つけたいという考えが、頭のなかの大部分を占めていた。1920年製の懐中時計よりも、ロレックスのRef.1675 GMTマスターは私が現代的な時計を理解する上で、大切な経験となった。初めてRef.1675を扱った場所をよく覚えている。それはニューヨーク・ソーホーにあるRRLだった。店員がアンティークやヴィンテージジュエリー、その他さまざまな時計が並ぶケースから時計を取り出し、それを何気なく私に手渡した。手にしているあいだ、私は世界で最も価値のある時計を扱っているような気がした。

GMT-Master Meteorite
私がここ数年で最もクールだと思う、2019年に発表されたGMTマスターII。

人気のロレックススーパーコピー 代引き専門店それ以来夢中になっている。今年の初め、友人がミラノにある家族経営の時計小売店を営むフェデリコ・ベルガ(Federico Verga)を紹介してくれた。腰を据えて主要ブランドの最新カタログの状況について話していると、彼は私に、いま何を買いたいか尋ねた。昨年ペプシを手に入れたにもかかわらず、私は2年前に出たレフティ用GMTマスターIIを直感的に選んだ。最も素晴らしいと感じている時計が、同じバリエーションであるというのは馬鹿げているように思うかもしれない。しかし、過剰なまでにGMTマスターについて考えたのはこれが初めてではない。私は現代のロレックス GMTの全SKUを手に入れることを想像してきたが、そのなかでも最もクールだと感じたのは、メテオライト文字盤を持つホワイトゴールド製GMTマスターIIだ。GMTマスターIIの別のバリエーションが悪いとかつまらないとか、そういうことを言う気にはなれない人間だ。なぜ私がこのモデルを悪くないと思っているか、理由を説明しよう。

New Rolex GMT-Master II
もしまだ気づいていない場合、驚かれるかもしれないが、新しいRef.126710GRNR(グリスノワールはグレーとブラックのツートンベゼルを意味する)はWatches & Wonders 2024で発表された唯一のステンレススティール製ロレックスである。ティエリー・スターン氏がSSノーチラスを捨てたような、完璧な“パテックムーブ”とは行かないまでも、ロレックスにとって異例の年であることは間違いない。また、昨年のロレックスサプライズとはかなり違った意味で珍しい。ブランドは、“セレブレーション”や“パズル”ダイヤルが今後の前例を作るものではなく、単に時間を楽しむためのひとときであると私たちに告げた。そのためグレー/ブラックは地球を揺るがすようなものではないが、安心感を与えてくれる、最高のロレックスなのだ。

Rolex GMT-Master II
新しいGRNR(まだ一般的な愛称が決まっていないため)についてのすべては、基本的にほかの126710と同様だ。ケースは40mm径×12mm厚のSS製で、ブレスレットはジュビリーとオイスターから選べる。本モデルは約70時間パワーリザーブを誇るCal.3285を搭載し、独立したジャンピング時針があるので、各地を移動する際はタイムゾーンをスキップできる。

GMT-Master II
つまり、セラクロムベゼルが非常に絶妙なブラックとグレーのグラデーションになっていること、文字盤の“GMT-MASTER II”と24時間針が大胆な緑色になっているのが、既存モデルとの主な違いだ。もちろん、これはほんの微調整であり、飛びつくほどの価値があるとは言わないが、選択肢が増えることは悪いことではない。既存のペプシは、その象徴的な色の組み合わせから愛された存在で、素晴らしいオリジナルロレックスのRef.6542にまでさかのぼる。ただ控えめなスタイルを好む私としては、赤いアクセントがかなり派手に感じられることがある。もちろん“バットマン”を頼んでもよかったのだが、青もかなり大胆だと思う。

Rolex GMT-Master II
誰もが目立つ時計を欲しがるわけではない。しかしこれまでは、そのような顧客を満足させる現行モデルは、長らく製造中止となっていた古いRef.116710LNだけだった。モノトーンのベゼルはあまり好まなかったが、フォトジャーナリストとして働いていた場所の多くは、時計にあまり注目してほしくない場所だった。しかし必ずしも一緒に旅行できる時計を持つことを止める必要はない。

継続された素晴らしい要素は、グリーンの“GMT-MASTER II”のテキストと針で、それまでの地味なリリースに必要な色彩を与えているが、今回はグラデーションベゼルが最大の改良点である。ベゼルのデイ/ナイト表示を駆使している人がどれくらいいるのか分からないが(いたら教えて欲しい)、少なくともそれはベゼル上にいくつかのコントラストを生み出しつつ、オリジナルのGMTに言及したものだ。

Rolex GMT-Master II
私は最初の記事で、多くの人々が期待または希望していた“コーク(ブラック/レッドのツートンベゼル)”ではないと触れた。だが、個人的にはコークを望んでいなかった。オクタン価の高い“超コーラマニア”であるにもかかわらず、GMTのカラーコンボがあまり好きではないのだ。この新色の発売も、象徴的なペプシのディスコンにはつながらなかった。この生産中止が噂されるようになったのはここ6~9カ月のことだ。時計コミュニティのメンバーが、年を追うごとにAD(正規販売店)がペプシの出荷を減らしていると報告していたからである。その噂は製造中止から始まり、ロレックスがベゼルの製造にさえ苦労しているという指摘にまで発展した(確かにセラクロムベゼルが最初からペプシに搭載されなかったのは問題だった) 。今となっては、ロレックスが新製品の発売に向けて生産速度を減速していたというのが、より明確な答えかもしれない。

Rolex GMT-Master II
もうひとつ驚いたのは、大人気のロレックス時計コピーNランク 代金引換新しいGRNRがジュビリーとオイスターの両方のブレスレットで提供されるだけでなく、一方のブレスレットで時計を持っている場合、もう一方を購入することができるという事実だ。これはここ数年のあいだに数人の友人から教わった、それほど秘密ではない裏技のようなものだ。適当な正規販売店に行けば彼らがもう一方のブレスレットの購入を手伝ってくれるかもしれないが、場合によっては、独創的なエピソードを用意して、いくつかの困難を乗り越えなければならないだろう。この新しい方針がすべてのGMTマスターIIに適用されるかどうかは不明だが(尋ねてみたがまだはっきりしていない。でも私を信じて)、期待している。

Rolex GMT-Master II
GMTマスターを見て“全部集めなくちゃ”と思うちょっと変な人であれ、もっと控えめなSS製GMTを待っていた人であれ、新しい126710GRNRはオイスターブレスレットで154万円、ジュビリーブレスレットで156万9700円(ともに税込)で手に入れることができる。ペプシ、スプライト、バットマン、そしてこのモデルの名前が何であろうと、SS製GMTの流通が活発になることを願っている。