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ブレゲ タイプXXコレクションの忘れられた名作の数々。

ラグジュアリークロノグラフのカテゴリーには、スピードマスター、デイトナ、ポルトギーゼ、エル・プリメロ、ビッグバン、ナビタイマーなどが割拠している。この分野は非常に競争が激しいため、クロノグラフ製造の歴史で大ヒットを飛ばした大物ブランドでもあっても、愛好家の想像のなかで忘れ去られてしまうのも無理はない。

 それこそまさに、ブレゲのタイプXX(およびXXI、XXII)が過去10年間に経験したことと符合する。スイスの時計メーカーであるブレゲは、1990年代半ばに20世紀で最も有名なパイロットクロノグラフを復活させて以降製造を続けるなど、21世紀のクロノグラフレースにいち早く参入した。しかし、どういうわけかタイプXX系は、90年代後半に時計コレクターの熱狂的な支持を得た当初と同じ熱量を維持するのに苦戦を強いられている。

Breguet Type XXI and XX
ジャック(・フォースター)は2015年にブレゲのタイプXXファミリーの優れた略史を執筆している。

ブレゲスーパーコピー代引き優良サイトタイプXX/XXI/XXIIシリーズは私を魅了してやまない。歴史も申し分なく、時計自体も美しい。しかしもっと重要なのは、ブレゲが製造するほかのどのモデルとも似ていないということだ。スポーティなマリーンでさえ、まったく異なる雰囲気を持っている。だからこそ、最近タイプXXの新作があまり話題にならないことはとても残念に感じている。

 2021年に発表されたばかりのカラフルなタイプXXIのペアや、2年に1度開催されるOnly Watchチャリティーオークションで絶賛されたユニークピース(この記事とこの記事を参照)など、散発的なアップデートはあるにはあった。しかし、2010年にタイプXXIIがデビューして以来、このコレクションはブレゲから後回しにされてきた感が拭えない。

Breguet Only Watch
Only Watch 2019のために製作されたブレゲ タイプ20のユニークピース。

 1990年代半ばに復活を遂げてからのタイプXX/XXIの進化をざっと振り返ってみたい。もしかすると、このコレクションがこれまで歩んできた道、そしてこれから向かうべき道の手がかかりになるかもしれない。

 今回は、ブレゲが製造したタイプXX、XXI、XXIIのモダン/コンテンポラリーのパイロットウォッチに焦点を当てるため、タイプ20の軍仕様の歴史や、航空業界におけるブレゲの歴史について深く掘り下げないことは承知いただきたい。それらについては、ジャックが2015年の記事でひととおり網羅しているので、航空界におけるブレゲの歴史的な位置付けや、ヴィンテージのタイプ20腕時計の影響力についてご存じない方は、この記事を一読されることをおすすめする。

Breguet Type XXI
腕に装着された現行(執筆当時)のブレゲ タイプXXI。

 歴史についてそのすべてを深掘りすることはしないが、ブレゲが1990年代半ば以降に製造したさまざまなリファレンスについて解説する前に、あらかじめ整理しておくべきことがいくつかある。

ブレゲ タイプXX/XXI/XXII 早見表
アラビア数字で判別可能の“タイプ20”とは、1950年代にフランス軍が、パイロットが飛行中に着用するフライバッククロノグラフをフランスとスイスのトップクラスの時計メーカーから製造するよう暫定契約した際に提供されたオリジナルの仕様書を指すことが一般的だ。仕様書の原本は紛失し、現在も見つかっていない。しかしタイプ20とは、ブレゲの名がダイヤルに刻印されたオリジナルのミルスペッククロノグラフだけでなく、タイプ20の要求仕様に応えたエイラン、ドダーヌ、ヴィクサ、アウリコスタ、マセイ・ティソといったほかの時計メーカーの製品も指すと一般に理解される(後者は実際にブレゲやほかの時計メーカーのために時計を製造していた)。

 一方、タイプXXという名称は、タイプ20のデザイン言語を市販品向けにアレンジしたものだけを指す。1995年に復活を遂げて以来、ブレゲがパイロットクロノグラフの旗印の下に製造してきた時計の99%が、これに含まれる。

Vintage Breguet
数年前にフィリップスで落札されたブレゲのヴィンテージパイロットウォッチのセレクション。

 ブレゲが1970年代にオリジナルのタイプXXI腕時計を製造していたことも注目に値するが、現行のタイプXXIとはほとんど関係がない。私が知る限り、最初のXXIIは2010年に製造されたものである。

 オリジナルの仕様書によると、現代のタイプXXとタイプXXIはすべてフライバッククロノグラフで、文字盤には通常、フランス語で“レトゥール・アン・ヴォル”、つまり“fly back(フライバック)”と表記される。現在ブレゲがコレクションで採用しているクロノグラフムーブメントは、もともと1992年にブレゲが買収したレマニア社によって開発されたものである。

 さて、タイプXX、XXI、XXIIの各コレクションを分ける固有の違いだけでなく、その背景を最低限理解するのに十分な歴史のレッスンは以上だ。それでは、ブレゲのアヴィエーション(航空機)にインスパイアされたクロノグラフがどのように進化し、現在の地位を築いたかをより理解するために、振り出しに戻ろう。

新たなスタート(1995年~1998年)
現在に至るタイプXXは、1995年にバーレーンを拠点とするオルタナティブ投資会社インベストコープの傘下にあったブレゲがリリースしたタイプXX Ref.3800である。これがタイプXXの第3世代の始まりであり、今日存在するコレクション全体のバックボーンであると多くの人が考えている。

Breguet Type XX 3800
ブレゲ タイプXX Ref.3800。Image, Phillips

タイプXX Ref.3800は、オリジナルのタイプXXのデザイン言語を進化させたモデルだ。ブレゲはケース径を38mmから39mmに拡大し、ミドルケースに施された特徴的なコインエッジやポリッシュ仕上げされたベゼルなどの装飾効果を取り入れた。また、レマニア1350をベースとしたブレゲ自社製自動巻きムーブメント、Cal.582が搭載され、過去のモデルのような手巻きムーブメントではなく、フライバックモジュールが搭載された。フライバック機能と逆回転防止ベゼルはオリジナルを踏襲し(初期モデルでは逆回転防止ベゼルが採用された個体も報告されている)、視認性に優れたブラックマットダイヤルに白文字表記が採用された。このリファレンスの初期のモデルは、トリチウム夜光とゴールドメッキのリューズが特徴であった。

ステンレススティール製モデルの成功に続き、ブレゲはすぐにイエローゴールド製でブラックダイヤル仕様のRef.3800BA、ローズゴールド製でブルーダイヤル仕様のRef.3800BRをリリース。とりわけ後者は、これまでのタイプXXシリーズのなかでも最も魅力的で華やかな配色のひとつだと私は考えている。

Breguet Type XX
ブレゲ タイプXX Ref.3800PT。Image, Christie's

Ref.3800PTもまた、この時期に発表されたあまり知られていないモデルで、このモデルが製造開始されて1年か2年後に製造された。プラチナケースにブラックダイヤル仕様のタイプXXは、合計100本の限定生産だった。

デイト表示あり、それともノンデイト?(1998年~1999年)
その3年後、ブレゲはデイト表示機能を備えたタイプXX トランスアトランティック Ref.3820を加えることでXX系の充実を図った。6時位置のインダイヤルの内側にクイックセット式のデイト窓が追加され、ベゼルにサテン仕上げが施された以外は、従来のタイプXXとほぼ同じであった。トランスアトランティックに搭載されたムーブメントは、レマニア1372をベースとしてデイト表示付きのCal.582Qにアップデートされた。

Breguet Type XX
ブレゲ タイプXX Ref.3820。 Image, Antiquorum

 私が知る限り、1995年以降の非クロノグラフのタイプXXは、1998年に発表されたモデルだけだ。タイプXX Ref.3860 レヴェイユは、生産数が非常に限られたアラームウォッチで、トランスアトランティックと同じケースを採用し、SS製とゴールド製が展開された。ブレゲのスポーツウォッチに興味をお持ちの方には、ノンクロノグラフかつノンマリーンという素晴らしい選択肢になると思う。

Breguet Type XX Reveil
SS製ブレゲ タイプXX 3860 レヴェイユ。Image, Antiquorum

 ブレゲはこの時点で、実験的フェーズに真っ先に飛び込んだ。アエロナバル Ref.3807として知られるこのモデルは、ポリッシュ仕上げのベゼルとブレスレット、光沢のあるダークブルーのコバルトダイヤル、そしてタイプXXシリーズで初めて採用されたシースルーバックを備えた、約1500本限定のシンプルで美しいSSモデルだ。

Breguet Type XX
ブレゲ タイプXX Ref.3807。 Image, Antiquorum

Breguet Type XX
ブレゲ タイプXX Ref.3820、カーボンファイバーダイヤル、チタンケース。Image, Antiquorum

Breguet Type XX
ブレゲ タイプXX Ref.3820 プラチナケース、ブルーダイヤル。Image, Antiquorum

Breguet Type XX
ブレゲ タイプXX Ref.3820 RG製ケース、ブラックダイヤル。Image, Antiquorum

 この時期に発表されたモデルとしては、ブラックのカーボンファイバーダイヤルを備えたチタンケースのトランスアトランティック Ref.3820、ブルーダイヤルを備えたプラチナケースのトランスアトランティック Ref.3820、ディープブルー、ブラック、ホワイトダイヤルを備えたイエローゴールド(BA)、ホワイトゴールド(BB)、ローズゴールド(BR)製のトランスアトランティック Ref.3820などが展開された。WGケースとホワイトダイヤルの組み合わせは、伝統的なミルスペックにインスパイアされたクロノグラフに、とりわけ意外性を与えている。

Breguet Type XX
ブレゲ タイプXX Ref.3820、RG製、ホワイトダイヤル。Image, Christie's

Breguet Type XX
ブレゲ タイプXX Ref.3820、WG製、ホワイトダイヤル。Image, Antiquorum

Breguet Type XX
ブレゲ タイプXX Ref.3820、WG製、ブルーダイヤル。

Image, Ineichen Auctioneers

 ブレゲはRef.4820も同じ2000年代初頭に発表した。こちらは直径33.5mmで、女性時計コレクターをターゲットにした小型のタイプXXトランスアトランティックだ。あまり知られていないRef.4821は、マザー オブ パール(MOP)ダイヤルとダイヤモンドがセッティングされたベゼルを備えたタイプXXである。

世界で最も複雑な時計を製作することは、

ヴァシュロン・コンスタンタンのチームメンバーが、見本市の直前にメゾンから何か大きな発表があると教えてくれた。彼らはまた、私がこのニュースの取材に適任だと考えているとも言っていた。どうやらヴァシュロン・コンスタンタンから懐中時計が発表されるらしい。友人や同僚から揶揄(からか)われるかもしれないが、私の時計への情熱は懐中時計がきっかけであった。

それだけに、現代のブランドが、ウブロスーパーコピー代引き優良サイトそのような古い時計製造のスタイルを利用して、何かおもしろいことをするのであれば、私はいつまでも好奇心を持ち続けるだろう。しかし、ヴァシュロンが何を用意しているのかを知ったとき、それは単に興味深いだけでなく、歴史的意義を感じた。最終的に、その時計はバークレイ・グランド・コンプリケーションと呼ばれる、世界で最も複雑な時計だと判明し、私は自分の目で確かめなければならないと思った。

いまや懐中時計を製造している時計メーカーは、パテック フィリップを除いてほとんどない。本来、時代錯誤で扱いにくいものであり、通常であれば身につけることはほぼ不可能である。ましてや63の複雑機構、245石、2877個の部品を搭載し、重さは960g以上、直径約9cm、厚み5cmともなるサイズである。

私は(かなり長文の)Introducing記事のなかで、この時計の複雑機構の多く、特に初の中国伝統の永久カレンダーについて取り上げた。世界で最も複雑なたった1本のビスポークウォッチを作るという途方もない仕事に挑戦するブランドは、いまのところ地球上にほかにないだろう。

1783年にマリー・アントワネットのために懐中時計を注文したとされるスウェーデンの伯爵アクセル・フォン・フェルセン(Axel von Fersen the Younger)の話や、より有名なところでは1933年にパテック フィリップが製作したヘンリー・グレーブス スーパーコンプリケーションの話など、このコンセプトは何世紀も前に遡る。

これらの時計には依頼主の名が冠されており、ヴァシュロンの新作もその例に漏れず、ウィリアム・R・バークレイの名を冠している。彼はこの新作だけでなく、この時計が製作されるまで最も複雑な時計であったヴァシュロンのRef.57260を発注した人物でもある。

この時計を実際に(ガラスの向こうからではなく、間近で)眺めることは、一生に1度の経験になることは間違いなく、Watches&Wondersの前日、私はジュネーブ郊外にあるヴァシュロン・コンスタンタン本社に行き、特別なプレゼンテーションを受けた。ヴァシュロン・コンスタンタンのスタイル&ヘリテージ・ディレクター、クリスチャン・セルモニ氏との対談も叶った。

私の懐中時計への憧れを満足させ、この信じられないような(そして巨大な)時計学の偉業を解き明かすために、そしてただ単に見たことがあると言えるようにするために、このミーティングに臨んだ。それに、ほかにも疑問があった。

例えば、ヴァシュロンがこのプロジェクトを通じて学んだことの意味や、それを今後の量産モデルにどのように応用できるかといった実用的な質問もあった。

しかし、このような時計について何年も考え、本を読み、夢さえ見てきた私にとって、この時計はどのような気持ちにさせてくれるのだろうか? 何世紀にもわたって解明されることのない時計製造の偉業を、誰かが理解し始めることができるだろうか? バークレイ・グランドコンプリケーションに隠されたこれらの疑問、そしてその他の疑問を解き明かそうとする私と一緒にご覧いただきたい。